むかしのことを話したり、話していると、記憶が活性化されて、季節をめぐり、いまは冬の冷たい土をかぶったたくさんのことがあふれるみたいに思い出されて、それはまだなにも知らない、前だけしか見ていないような年ごろにはきっとわからないような体験なのかもしれないと、そのあとで日常的で些細なことを何気なく済ませていくうちに、そのたびにまたむかしのことが思い出されて、ふと気付かされる。
2026/02/19
2026/02/17
1813.
先々週の雪の日に手袋を片方なくしてしまった。その前の日にもう1組の手袋を片方なくしてすぐだったので気が滅入った。なんならワイヤレスイヤホンの片方もつい最近なくしてしまったし、もう1組のワイヤレスイヤホンの片方も壊れてしまった。
そういうわけで、いま手元にあるのが片割れの寄せ集めとなった。
片方をそれぞれ付ければ遊戯王でいうエグゾディアのような、とはいえ統一感のない、ポンコツロボットみたいな風体だ。もちろん、異なる手袋を片方ずつ付けるのはなんだか野暮ったいし、異なるイヤホンを片耳に付けるなんてこともできない。
とりわけは、お気に入りの手袋がなくなったのがかなしい。
もうだいぶ前の日のことなのに。
でも、ふと思ったことがあって。
寒さを防ぐことはもちろんいいのだけれど、寒さに耐える日もあっていいかしれない。
手袋やニット帽だけでなく、いまではヒートテックまで流通し、とても過ごしやすくなったにちがいないのだけれど、寒いと感じるから着るというよりも冬だからとか寒そうだから着るという風に少しずつ変わり慣れ、空気の寒さをなかなか感じられなくなったような、そんなことをふと思ってしまった。
慣れということでいえば、もっと深くまで考えられそうなのだけれど、今日はこの辺で消灯。
あぁ、さむいさむい。
そう言って、お布団に包まる就寝もきっといいよね。

2026/02/07
1812.
洗濯物をしまおうとカーテンを開けると都内のビル群の端で妙に赤茶色の月が雲に隠れようとしていた。明日からひどく冷え込むらしかった。
カメラを持って、屋外スリッパに足指をひっかけてベランダへ出る。めずらしい月の姿に向かって手ぶれに構わずシャッターを切って、切って、何度も切った。
部屋に戻り、ソファに深く座って撮影した画像の具合を確認する。ぼんやりしていたり、光を入れすぎていたり、なかなかうまく撮れていなかった。
そんなもんよなと思い、カメラを脇に置いて飲みかけの温めた牛乳を飲む。外の冷えが足先だけに残っていた。
