2021/09/29

1784.

 いろんな不安や不満を抱えながらも、それでも耐えて、がんばっている。生きていこうと思う。そういう人たちによく出会う。特に女性の、あの忍耐強さというか、母性を源泉とするところのあの底力が火を見るような明らかさで顕現する。

がんばるしかない、なんていわれるとそんなことないよと言いたくもなる。だけど言わない。
わたしはそれを見守ることしかできない。
見守るだなんて、なんて無力なことばだろう。
人の進む道に魂を馳せる。
そのあいだ、鳴くことしかできないわたしという鳥を誰か撃ち落としてくれないだろうか。
人間と関われないというのは、とてもつらいことだ。

2021/09/02

1783.

秋と呼ばれる月に移ろいで、風が冷たい空気を送り込んでくる。薄ぼんやりとした雲の隙間に残像のような青空。この世界を歩く人間はひとり、ふたり、わたしを含めて数えるほどしか残っていない、なんて。そんな想像に駆られる静けさが私の目に映る。部屋の埃を払って再認識する日常が儚い。つながることによって、むすぶことによって約束されるいかなる輝きも心底には届かない。

2021/09/01

1782.

雨を降らす曇空を貫通するような叫び声がわたしの胸のうちで埃かぶったように汚く芽吹く。身勝手に振り落とされたわだかまりを靴に染み込ませ、夜の湿った街灯を映した水だまりをひと息に飛び越えて帰路を急ぐ。そのひと息が重く、つらい。人心から吐き出された不調和が雨の滴を不透明にし、固い音を響かせる。今日はとてもしんどいでしょう。消灯した部屋の冷たいベッドで静かに雨音を聴くのがいい。どうか、ゆっくり休んでください。