2021/01/21

1753.

両手をひらいたくらいの大きな蟹が岩さながらに立ち、河口のすみっこで、おだやかな小波と朝陽のリズムに身を浸している。鳥たちが梢枝から水面へ飛び込み、大きなまぼろしを前にまるい目を輝かせた小魚たちを飲み込んでゆく。ポータブルスピーカーから流れる軽快な音楽を聴き古来の風を全身で受けるわたし。わたしは縦笛を風が通りぬけるように方向け、音が鳴るのを愉しんでいた。