月日のゆくえにしたがって、わたしたちはもうすこしでねむりにつく。
ええ、わたしもそろそろ。
たよりになるやわらかい寝床の、その心地良さに思わずうずくまった朝も、これからおこる風をときにはのどかに読んで、ときには心忘れて読んで、種蒔き萌芽によせたしげく期待も、二月の暮、閏日はやさしく受けいれた。
わたしは春の、晴れた空を見あげて、あなたを横に寝そべりたい。どんな本を読もうか。本を読むわたしを横に寝息を立てるあなたがいる。とこしえの陽となり、つかずはなれずのぬくもりであなたを抱いていたい。
鳥が鳴いたと識ってめざめる朝のしずけさが好き。うつりかわる時期ゆえの不安も、わたしたちならすっかりしずめてみせた。早とちりの似合わない二月の夜が延々とひろがってゆく。芽の「出たい」という、潑剌としたこころもちでその窮みに見たのは、よろこびも、かなしみも湛えたひかりのなみだ。
四方にわたるひかりの線が、かたちをかえながらわたしの目にせまる。次第にひかりはかさなりあって、ふたつとひとつと、わたしをあなたを、迎えにくるという。
きざみよく鳴る時計の音も、かすんでぼんやりと、ぼやけて、ぼうっとするうちに、消え失せて。
わたしたち、またすぐ童子さながらの表情で、日がのぼるのをみるだろうか。
ああ、そうだといいな。そうだといい。