2022/07/07

1795.



学生の頃からお手紙を送り合っていた親友からの音沙汰も消え、ふと出会う人々とのご縁も蚕の糸のように儚くて、顔も合わせたことがなければ、ことばを交わしたこともないアカウントを傍目から覗いたり、流行りの音楽が冷たい山水のように流れていくのを受けとめ、吐き出したりして、ちょうどいまのわたしは魂をどこかへ置き忘れたように光に淡く揺れる午後の草葉だ。

やっぱり、わたしとこの世界はどこか合っていない。人はわたしを親指と人差し指で異物のように摘み出し、赤児に話すようにさようならと言う。この世界からつまみ出されたわたしに、つながりたいという作用がいっそう働く。

人間は孤独だ、と言い切った篠田桃紅さんが羨ましい。人間関係の底に棲む執着というものを、わたしだって尽く焼き払いたい。見知った人たちが星々のように久遠に散らばる。そしたらわたしは生まれ変わると、本気でそう思っている。