絵を描くばかりだ。本も読んでいない、映画も観ていない、SNSにログインするのも億劫だ。ごめんなさい。だってなんだって、絵を描くのが楽しい。
ペンタブを買ったら、世界がひらいた。朝目覚めて気づいたら、パソコンをひらいていた、ペンタブを接続していた、描きはじめていた。こういうときのわたしはなにを描くかを決めるよりもさきに、描きたいものが存在するよりもさきに、描きはじめている、なにもかもが遅れてやってくる。なるほど、それを知覚し、それを名づけるのは描き終わったとき。ええ、ことばもいまはたよりない。
こんな貴重な時間、1年のなかでも滅多にないのだと思う。季節性の趣向によって、どうせ明日になれば、来月になればちがったことをしている。
でもいまは絵を描くばかりだ。絵を描くばかりの日々もいいなあって、絵を描くのが楽しいなって、そんなこころをわたしは儚く灯している。