人と目が合うと、瞬間を感じられる。思いのほか美しく、つないだ手を離すように、向こうの瞳に囚われることがいつかあったかもしれない。わたしがそれを手にしようとすれば、瞬間は記憶の、永遠をうちにとどめた石のような、小さな個体にかわる。
***
近所の橋の下を流れる川は午前のあわい陽光を受け、山水に清められた赤児が寝息するような静けさをたもって、応えつづけていた。もし君がいたなら、そう思うことがあった。一秒を刻むのをやめて、時はとまるべきだったのに。
人と目が合うと、瞬間を感じられる。思いのほか美しく、つないだ手を離すように、向こうの瞳に囚われることがいつかあったかもしれない。わたしがそれを手にしようとすれば、瞬間は記憶の、永遠をうちにとどめた石のような、小さな個体にかわる。
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近所の橋の下を流れる川は午前のあわい陽光を受け、山水に清められた赤児が寝息するような静けさをたもって、応えつづけていた。もし君がいたなら、そう思うことがあった。一秒を刻むのをやめて、時はとまるべきだったのに。